現代のストレスフルな生活の中で、癒しはますます重要なテーマですね。
「癒し」はいろいろな場面で使われる言葉です。
一般的には心と体を休めたり、回復させるという意味で使われますね。
しかし本質的には、私たちのあり方そのものに関わる、より深い意味があります。
今日は「癒しとはなにか」についてお話します。
癒しとは全体性を取り戻すこと
「癒し」は英語で「healing(ヒーリング)」といいますね。
これは「whole(ホール)」という単語と同じ語源から生じています。
「whole(ホール)」は「全体」とか「統一」「欠けるものがない」という意味。
つまり癒しとは、心・からだ・魂の全体性を取り戻すという意味があるのです。
では「全体性を取り戻す」とはどういうことでしょう。
そこには、私たちがすでに分離しているという前提があります。
これについて少し詳しくみていきましょう。
エネルギーブロックを癒し統合する
今世も過去世も含め、私たちはさまざまな経験をし、多くを学び、魂を成長させてきました。
その中には輝かしく喜びに満ちた体験も数多くあったことでしょう。
そして同じくらい、深い悲しみや傷つきも体験してきたはずです。
私たちは悲しみや傷つきが大きすぎると、その身体感覚や感情を自覚できる意識(顕在意識)から切り離し、潜在意識に押し込んで「無かったこと」にすることがあります。
また感じることが不都合な欲求を自分自身にも隠しておくこともあります。
これを「抑圧」といいます。
抑圧はもともと人間に備わっている防衛反応であり、自分でも気づかないうちに潜在意識がやってくれています。
日常的に心身の安定を保って暮らしていくためには必要なものです。
しかし、感情や欲求という生命エネルギーの一部を閉じこめると、心の世界に分離が生まれます。
実際、全体から切り離された感情や欲求のエネルギーは肉体(主に筋膜)やオーラの中にギュッと凝縮され、健全な生命エネルギーの循環をさまたげています。
これが「エネルギーブロック」です。
この状態にあると、人は自分の人生をフルに生きられなくなってしまいます。
たとえば、分離があることによって葛藤が生まれ、頭でやりたいと考えていることにからだが反発したりします。
また一つの目的に力を出し切りたいのに、エネルギー漏れが起きて集中できない感覚になったりするのです。
癒しとは、こうした分離しているエネルギーをもう一度、心・からだ・魂の全体に統合すること。
統合されれば葛藤は癒され、やりたいことなのになぜか動けなかったり、心とからだがバラバラに動いたりといったことが改善されます。
そして魂が望む同じベクトルに心とからだが一致して動けるようになります。
つまり人生単位でみれば「このように生きたい」と願う生き方を実現しやすくなるのです。
そのために必要なのは、潜在意識がとじ込めている感情や欲求に気づき、安心安全な環境でしっかりと感じること。
人間とはよくできたもので、過去に抑圧した感情や欲求を統合できるほど心身が成長したとき、それらが自然に意識にのぼるようにできています。
このとき、つらかった出来事の記憶が思い出されたり、今直面している問題が深刻化したりなど、一時的に悩みが深くなったと感じることがあります。
しかし、心配する必要はありません。
それは潜在意識からのポジティブなサイン。
過去に抑圧した感情をもうそろそろ癒して手放せるよというサインなのです。
エネルギーブロックとなっているエネルギーを癒して解放すると、「ああ、私は確かにこう感じていた!」という実感を感じます。
このプロセスは「感じる力」を取り戻す過程そのもの。
そして自分自身との深いつながりを取り戻すことそのものです。
この深いつながりを保てていれば、今自分が何を感じているのかを自然につかめるようになります。
「~しなければならない」という、頭で割り出した“損得勘定”や“世間一般の判断”ではなく、心とからだの実感を土台にした「~したい」を感じ取れるようになるのです。
癒しのプロセスを通じて全体性と感じる力を取り戻すことで、人生は確実に豊かに、納得・満足度の高いものになります。
自分らしい生き方とは、自分の実感と深くつながり、内側に確かな羅針盤があることを信頼できる生き方なのです。