家族にあたってしまうのはなぜ?抑えた感情と心のしくみを解説

なぜ家族にばかり当たってしまうのでしょう

職場では穏やかに過ごせるのに、家ではなぜかイライラしてしまう。

ささいなことでパートナーや子どもに当たってしまい、後になって

「どうして私は家族にばかりこんな態度をとってしまうんだろう」

と自分を責める。

そんなお悩みを、心理カウンセリングでたくさんお聞きしてきました。

実は家族に当たってしまうことに悩んでいる方ほど、

外では周りに気を遣い、人との関係を大切にしていることが少なくありません。

だからこそ、

「なんで家ではこんなふうになってしまうんだろう…」

と苦しんでしまうのです。

抑えた感情は、安心できる場所で表現されます

社会の中で生きている以上、自分の気持ちを抑えなければならない場面はたくさんあります。

本当は納得できなかった。

本当は傷ついた。

でも、その場で言い返せば人間関係が悪くなるかもしれない。

相手を傷つけたくないし、自分も嫌われたくない。

そんな思いから、本当の気持ちを飲み込むことがあります。

もちろん、そうした対応が必要な場面もあるでしょう。

なかにはこうしたやりとりがすっかりパターンになってしまっている方もいます。

しかし、その場その時に表現できなかった感情は、なくなるわけではありません。

その感情は心と身体の中に残り続けます。

そして、それが一度や二度ではなく、何年もくり返されているのだとしたら。

内側に溜まり続けた感情は、どこかで発散されることを求め始めます。

ここで問題となるのは、そもそもその感情を表現するはずだった関係性の中では言えないと感じていることです。

人間関係を大切にしたい。

傷つくことを恐れている。

だからこそ、その気持ちを伝えるべきだった本当の相手には伝えられないのです。

その相手との関係の中では、本当の気持ちを安心して表現できるとは感じられていないのかもしれません。

そのため心と身体は、「ここなら大丈夫」と感じられる場所で、溜めてきてしまった感情を解放しようとします。

それが家族の前であることは、決して珍しいことではありません。

私たちは安心できる相手には、

「もっと分かってほしい」

「私を受けとめてほしい」

という感情をもっています。

そうした気持ちを伝えても良いと感じる相手だからこそ、これまで抑えてきた苦しかった感情を表現するのです。

vase with flowers on table

あなた自身が、安心できる場所になるために

とはいえ、家族に強く当たってしまうことも、ご本人にとっては悲しく自己嫌悪につながってしまうことです。

そしてその行動だけを責め続けても、根本的な解決にはつながりません。

本当に目を向けたいのは、

「私は普段、どれくらい自分の気持ちを抑えながら生きているんだろう」

ということです。

もし長い間、自分の感情を後回しにすることが当たり前になっているのなら。

あなた自身が、あなたの「安心できる相手」でいてあげる必要があります。

今何を感じているのか。

本当はどうしたかったのか。

何を求めているのか。

それをたえず自分に聞き、叶えようとすること。

これはつまり、人間関係を大切にするために自分以外の人に向けていた優しさや優先順位の高さを、自分に向けてあげるのです。

こうして自分の言い分をしっかり聞き、気持ちを感じ取り、より理解するということを続けていると、あなた自身があなたの安全地帯になることができます。

そしてそうした自己理解が、「本当は相手に何と言いたいか」「どうしてほしいか」をしっかりと掴むための実感を育むことにもなるのです。

「こんな行動をしてしまっている自分はダメだ」

と自分を責め、特定の行動だけを変えようとするのではなく、その背景にある心のしくみに気づくこと。

そしてなによりも自分の気持ちを大切にし、理解しようとすること。

それが、本当の意味で変化が始まる第一歩なのです。