「何がしたいか分からない!」という心理が隠しているもの

「何がしたいか分からない!」という心理が隠しているもの

これからの生き方について、特にお仕事について考えたとき、

「本当は何がしたいのか、自分でも分からない」

と感じて、悩んでしまうことがありますね。

自分自身のことなのに、自分でもよく分からない。

これは誰にとっても人生の大きなテーマです。

私自身も

「私はいったい何がしたいんだろう。どうやって生きていきたいんだろう」

とさんざん悩んだ時期があるので、この気持ちにはとても共感します。

今日は「何がしたいのか分からない!」という心理について考えていきます。

本当は分かっているのかもしれない

「やりたいことが分からない」

実はこの言葉、半分は本当だけれど、半分は自分をあざむくウソなのではないかなと思っています。

もちろん本当に「分からない!」と感じて悩んでいることはウソではありません。

ただ、そう口にしてはいても、実はやりたいことのイメージがうっすら浮かんでいることが多いのではないかと思うのです。

「何が何だかまったく一つも分からない、想像すらつかない」という方は少ないと思います。

もし何一つ分からないのだとしたら、それはちょっとだけ自己逃避っぽい感じがします。

ちょっと厳しくてイジワルな言い方かもしれませんけれども(笑)。

多くの方は、本当は自分がやりたいことをうっすら感じていて、分かっている。

でもなぜだか、その気持ちを本気にせず、真に受けないようにしている。

もっというと、それをやりたいという自分の気持ちや、それをする能力があることを信じていない。

そういうことではないかと思います。

私たちはある程度の年齢まで生きていれば、自分の好きなことや得意なこと、嫌いなことや苦手なことは分かっていますよね。

また自分がしたことで周りの人に喜ばれたことや、感謝されたこともあるでしょう。

そのことで嬉しくなったり得意に思ったり、もっとやりたいと感じたこともあると思います。

それらの経験には、その人が持って生まれた資質や能力、才能が必ず反映されているものです。

誰にも必ず、天賦の才というギフトが備わっています。

そして私たちの多くが、すでにそのギフトが何かを自覚していると思うのです。

「分からない」の中身をひも解いてみると

もしそうであるならば、「やりたいことが分からない」をより正確な表現にしてみると

「私がやりたいことといえば、本当はコレとかアレとかが頭に浮かんでる。でも……」

ということではないでしょうか。

では、なぜこんなにもたくさんの人々が

「やりたいことが分からない」

と感じるのでしょうか。

そしてうっすらと気づいているはずの「本当はやりたいこと」を、なぜ本気で受けとめないようにしてしまうのでしょうか。

いろいろと理由は考えられますが、その一つはお金の問題でしょう。

やりたいことはあっても、それがお金に結びつかないから選択肢から除外している、というケースはとても多いですね。

またお金以外にもいくつかの理由が考えられます。

それは本当にやりたいことをやろうとすると直面しそうな不安や怖れ。

それに、もしかすると気づいてしまうことが不都合な欲求もあるかもしれません。

こうした、感じたくないこと、感じると都合が悪いことに気づくのを避けたい。

だからあえて「これがやりたい!」という気持ちを認めないようにしているのかもしれません。

では、そうした直面することを避けているリスクにはどんなものがあるのでしょうか。

ここではあえて「やりたいことを妨げているもの」にフォーカスしていきます。

なぜなら、リスクの正体をつきとめれば対応策も見つかるからです。

やりたいことがもたらすリスクとは

やりたいことに向かって前進したい気持ちにブレーキをかける「リスク」には、以下のようなものがあります。

失敗の恐怖: やりたいことを追求して失敗することを恐れている。
何をもって「失敗」とするかは人によって違いますが、失敗への恐れが強いとやりたい気持ちに本気で向き合わないことがあります。
過去の失敗やイヤな体験をしたとき記憶が、再び挑戦することへの障害となってしまうのですね。

自信のなさ: 自分の価値や能力に対する自信が不足している。
「私なんかにそんなことができるのだろうか」と自分の能力を疑うことがあります。
また人から批判されたり失望されるのではと恐れて、行動をためらうこともあります。

    不確実な未来への不安:どうなるか分からない未来の可能性より、今の安定・確実性を守りたい。
    「今から始めてはたして結果を出すことができるのかな」と考え、未来の不確実さに不安を感じることがあります。
    この不安が強いと、新しいことに挑戦せずに現在の安定した状態をキープしたくなります。

      完璧主義:完璧にできなければやってはいけないと考えている。
      「今の自分はまだ準備ができていない」「いつも正しい判断ができるか分からない」と感じ、やりたいことを始めることに躊躇することがあります。 
      これは自分に失敗を許さないという思考パターンの表れでもあります。

        社会的プレッシャー: 家族や友人など周囲からの期待や圧力に応えようとしている。
        周囲との関係の中で「あまり目立ちたくない」「反対されたらどうしよう」と考え、やりたいことを抑えてしまうことがあります。
        和を尊ぶ日本社会特有の”常識”が、個人の自由な選択を制約することもあります。

          リスク(怖れと不安)を把握して有効な対策を立てよう

          いかがでしょうか。

          ご自身をふり返ってみて、確かにこんな気持ちがあるなと感じるものはありますか?

          もし複数あったとしても大丈夫。むしろそれが自然です。

          ただし、怖れやさまざまなリスクのために「やりたい気持ち」そのものを抑え込んでしまうのは、あまりにもったいない!

          うっすらとでも感じている「やってみたい気持ち」はあなたのリアルな生命エネルギーの動き。

          それに対して怖れやリスクは、過去のデータベースからはじき出した「未来への妄想」です。

          ですから、もしほんの少しでもやりたいこと、興味のある分野に気づいているなら、やってみるべきだと私は思います。

          今がどんな状態でも、人にどう思われるか分からなくても、年齢がいくつでも、

          「こんなことをやってみたいな」

          「未来はこんなふうになりたいな」

          と理想や希望を持つことは素晴らしいことです。

          そしてそこに向かう一歩を踏み出すには、心の奥にある恐れや不安に気づくことが重要です。

          恐れや不安はあなたの味方です。

          これらは、あなた自身の安心・安全・安定を保つために生まれる大切なサイン。

          「こういうリスクをなるべくクリアしてから進みたい!」

          という潜在意識からの有益なメッセージなのです。

          一度その怖れと不安に向き合えば、それをどう回避するかを考えることができます。

          ただぼんやりと恐れているだけでは自分を脅し続けてしまいますが、向き合えば頭と心をスッキリと整理できます。

          すると、やってみたいことに向けて現実的に動き出すことがラクになるでしょう。

          きっとそれが毎日の生活に変化をもたらし、あなたを輝かせることになるはずです。

          そしてこれからの人生を大きく変えていく一歩になるかもしれません。