
「やめたいのにやめられない」というお悩み。
誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
私自身も、そんな悩みをいくつも経験しました。
物事を先延ばしにしてしまったり、
そこまで心配しなくていいようなことを考えすぎて、眠れなくなってしまったり。
二十代のころは過度なストレスを溜めこんだことで拒食と過食をくり返し、身体を壊しかけたこともあります。
「なぜやめたいのにやめられないのか」というテーマを探求しているのは、私自身がこの問題でいろいろと悩んできたからです。
こうした「自分のことなのにコントロールできない」という状態は、それが長引くほど自己不信につながっていきます。
そしていつしか
「これが私の性格だから」
「私は意志が弱いからしょうがない」
と、改善することをあきらめてしまうのです。
しかし、本当にそうでしょうか。
人の性格は変化しますし、きっと強い意志力を発揮したことだってあるはずです。
世の中には、このような自己コントロールの問題を軽減・解消できる有益な解決法があります。
それを知る前に「性格だから」「意志が弱い」と決めつけてしまうのは、もったいない気がします。
表面的に見れば悩みのタネである、この「やめたいのにやめられない」という状態。
実はこれを維持しているのは、私たちの心と身体を守ろうとする生命のしくみです。
身体は、あなたを困らせようとしてその思考・感情・行動を続けているわけではありません。
その時々の状況の中で、「これが今の自分を守る一番よい方法だ」と判断し、その思考・感情・行動を続けてきたのです。
ここでは、その理由を簡単にお話しします。
なぜ意志だけでは変えられないのか
「やめたいのにやめられない」という状態は、別の言い方をすると、
頭では「やめたい」と考えているのに、
心と身体が「やめようとしていない」ということです。
たとえば、
「今日は甘いものを食べない。」
そう決めて家を出たのに、仕事で嫌なことがあった帰り道、気づくとコンビニでお菓子を買っていた。
そんな経験はありませんか。
頭では「食べない」と考えています。
でも心と身体は、「今は安心したい」「ホッとしたい」と感じている。
この二つが一致していないため、「やめたい」と思っているのに、行動は変わらないのです。
この「頭で考えている」というのは、意識(顕在意識)の働きです。
そして心(感情)と身体(感覚)を働かせているのは、「考える意識」以外の部分です。
この意識以外の部分のことを「潜在意識」と呼びます。
頭では「やめたい」と考えているのに、
心と身体が「やめようとしていない」。
これは、顕在意識と潜在意識が別々の目的のために働いていて、めざすところが一致していない、ということなのです。
それほど生命に深く関わる部分だからこそ、「やめたい」という頭の考えだけでは変えることが難しい場合があります。
意識の力で潜在意識に強力な指令を与え、習慣を変えることができる人もいます。
しかし、長く続いている習慣ほど、潜在意識が心と身体の欲求を満たす方法として維持しているため、意志の力だけで変えることは難しいのです。
心と身体の声を聴く

潜在意識は、呼吸や心臓の動き、自律神経など、私たちが生きていくために欠かせない働きも担っています。
ですから、「やめたいのにやめられない」という習慣をなるべくスムーズに変化させるためには、潜在意識に働きかけて、心と身体が感じている欲求を別の方法で満たしてあげることが効果的です。
そのためにもまず、やめたい行動をなぜか起こしてしまうご自分が、その行動から何を得ようとしているのかに意識を向けてみることをお勧めします。
実は、どんなにネガティブに見える思考・感情・行動のクセの中にも、必ずポジティブな目的があります。
そんな視点でご自身を理解しようとしたとき、潜在意識の素晴らしい働きに気づくかもしれません。
そして、その目的を別の形で満たせるようになると、「やめたいのにやめられない」は少しずつ変化し始めます。
自分を責め続けるよりも、まずは「なぜこの思考・感情・行動が必要だったのだろう」と理解しようとすること。
その小さな視点の変化が、大きな変化への第一歩になるのです。