「人から舐められてしまう」と感じる方はこれを試してみてください

人から舐められてしまう方はこれを試してみてください

こんにちは。雨宮です。

心の反応や行動のクセを変化させるセッションをご提供していると、

「なぜか人から軽く扱われてしまう」
「いつも人から利用されたり、舐められたりしている気がする」

とお聞きすることがあります。

今日は「人から大事にされず、軽く扱われる」というお悩みの背景と、その解決策についてお話したいと思います。

こんな心当たりはありますか?

職場の同僚や友達との間で、

「なぜか自分だけ大変な役目を押し付けられる」
「フキゲンな同僚から八つ当たりされることがある」
「なんだか利用されているようでくやしい」

こんなふうに悩むことはありませんか?

「自分はていねいに親切に人に接することを心掛けているのに」
「人間関係を大切にしているのに、なんで…?」

と思われる方もいるでしょう。

こんなお悩みを持つ方は、場の空気に敏感な方が多いです。

その場の雰囲気がどうであるか、まるで自分の責任であるかのように、できる限り波風が立たないようにふるまう。

自分自身が柔軟に動くことで、誰もが不快な思いをしないようにする。

これは気遣いのある優しい方だからこそできることですね。

ただ、ときにその「柔軟さ」が、周りに合わせて自分ばかりを曲げてしまう、自己犠牲的な態度になっていることもあるのかもしれません。

自己犠牲的とはつまり、自分の中での優先順位が、自分ではなく「他者」または「その場(集団)」にあるということです。

自分のことは二の次にして、他者または集団に過剰に適応してしまうのです。

こうした態度のほとんどは、育ってきた家庭の中で身につけてきています。

自分の欲求を抑えてでも親の期待に応えようとしたり、不安になっている親の気持ちを和らげようとしたりするといった機会が多かったのではないでしょうか。

また自分が従順に従わないと親がすぐ不機嫌になるなど、生まれた環境に適応するために自分を曲げざるを得なかったかもしれません。

こうした場合、子どもは家の中の空気を敏感に感じ取るようになり、親の気持ちの責任は自分にあると感じるようになります。

対人関係を最初に学ぶのは家庭ですから、そこで身につけたコミュニケーション法に初めから自分で疑問を持つ人はあまりいません。

むしろ幼いときに親(大人)の期待に応え、不安を和らげてあげられた経験があれば、そのことを得意に感じたまま学校などの集団生活に入っていきます。

こうして家庭外でも「自分の欲求を抑えて他者の気持ちを優先する」ことを評価されたりすれば、この態度は一層強化されていきます。

とはいえ、こうした他者優先の態度がすぐに「軽く扱われる」「舐められる」に直結するわけではありません。

他人に対して先を譲る気持ちを持ち、柔軟であることで、尊敬され大切にされている方々もいますよね。

軽く扱われ、舐められる。

そこにあるのは

「自分で自分を軽く扱い、過小評価しているがゆえに、相手の都合にあわせて自分を曲げている」

という本人の心の態度です。

つまり、ふだんから自分で自分を軽く扱い、舐めているのです。

こうした自分への態度は、日々の生活のあちこちで見受けられるものです。

当たり前すぎてご自分では気づいていないことも多いでしょう。

たとえば、急に頼まれた仕事で数時間残業したとしましょう。

その後のあなたの自分自身への態度はどのようなものでしょうか。

①「今日は長い時間働いたな~。まあちょっとはミスもあったけど、突然急ぎの仕事を頼んでくるんだもの。これからは終業間近のときは断ろう。まあ今回は手助けできたし、偉かったぞ、私!ご褒美にスイーツを食べよう!」

と思うでしょうか。それとも

②「今日は長い時間働いたな~。やっぱり要領が悪いんだな、私。他の人はもっと早く片づけているのに。終業間近に頼まれたせいで楽しみにしてた映画も観れなくなっちゃった。遅いのは自分のせいだから仕方ないか」

と思うでしょうか。

②の方は残業したことへの自分へのねぎらいがなく、楽しみが奪われたフラストレーションに対するフォローもありません。

言ってみれば、自分を長時間働かせたうえに揚げ足をとるかのように文句を言い、次の楽しみの約束もせず、全然ほめてあげてもいないのです。

どちらかというと②の発想に近い方は、心当たりがあるのではないでしょうか。

これはちょっと極端な例かもしれませんが、こんなふうに自分がしたことを過小評価することは、自分を軽んじていることに他なりません。

人が自分を軽んじている、舐めていると思うとき、実はその感覚・感情は自分の中にあるのです。

他者から自分に向けられていると感じてはいますが、実は自分の中にある「軽んじる」という感覚を他者に投影し、自分に向けられているものとしてふたたび味わっているのです。

そしてなぜ自分を軽んじているかと言えば、幼い時に家庭の中で自分を二の次にして、周囲の大人(主に親)を優先してきたことから、「自分はこういう存在なのだ」と感じてきたことが土台にあります。

また自分を軽んじている方は、関係が近く境界線があいまいになりがちな他者には、自分を投影して同じような態度をとりがちです。

職場やママ友などへの態度はとても丁寧なのに、家に帰るとパートナーや子どもにテキトーで投げやりな態度で接する。

これはご自身へのテキトーで投げやりな態度が近い関係に現れているのです。

こうした態度で家族に接すれば、当然家族からも似たような態度をとられます。

そこでまた「なんか舐められてる気がする…」と思うわけですね。

宇宙は自分への態度を、合わせ鏡のように自分の対人関係の中に映し出すのです。

ではこの状態を解決して、軽んじられたり舐められたりしないようになるには、どうしたらいいのでしょうか。

それはもう、そのものズバリ。

あなたが自分自身を誰よりも尊重し、この宇宙で一番大切な人として、優先順位をトップ中のトップにもっていくことです。

仕事や家事がうまくいったら褒めちぎり、がんばったり疲れたりしたときには「よくがんばったね」と労いの言葉をかけ、鏡を見て「今日も可愛いね。大好きだよ」と声をかける。

つまり大切な人にしてあげたいと思うことを、ご自身にしてあげるのです。

同時に、人が困っているそぶりを見せているときに、脊髄反射的に助けの手を伸ばすことを控えるのも重要です。

「あなたの時間をちょうだい」と誰かに言われたら、「用事があるので…」とやんわり逃げるなど、自分の時間とエネルギーを人に割くことをやめ、自分の楽しみのために使いましょう。

本当は、誰かから何かを押し付けられたりイヤなことを言われたりしたら、はっきり「お断りします」と態度と言葉で表わすことができると最高です。

とはいえ、これまで人間関係を慎重に築いてきた方は、いきなりこれをすることには怖れを感じると思いますし、ヘタをすると関係自体を壊しかねません。

ですからまずは心の中だけで良いので、ご自身をどこまでも可愛がってください。(いずれは相手にNo!と言うコミュニケーション・スキルを身につけることも必須です。)

このお悩みを持つ気遣いのある方は「謙虚でいたい」という強い意志を持っている場合も多いので、こういうと自分を甘やかすことにはならないかと心配になるかもしれません。

でも、可愛がることと甘やかすことは違います。

ご自身に一番に愛情を持って接するということです。

無条件でこよなく愛する最高に大切な人がいたら、あなたは何をしてあげたいですか?

やりたいと感じていることをやらせてあげる。

休みたいと感じていたらちゃんと休息をとらせてあげる。

嫌がることは決してさせないようにする、など。

きっと当たり前にそうするのではないでしょうか。

毎日がんばっている相手に向かって、間違っても「すぐに休みたがって、怠け者なんだから!」とは言わないですよね(笑)。

こうしたことを続けることで、じょじょにあなたの宇宙のトップ・プライオリティ(最高優先順位)はあなた自身であると、自分の心と身体に伝えてあげることができます。

これまで身につけてきた在り方は、長年の「私はこうあろう」という信念や美学によって支えられているので、ときに変えるのが難しいと感じるときもあるでしょう。

でも大丈夫。これからまだ時間はタップリあります。やりやすいところから試してみればいいのです。

これが「自己尊重」の在り方を少しずつ身につけることにつながり、自分を軽んじるという心の態度を変えることができるのです。

人は、自分がバカにされてもそれを受け入れ、あいまいに笑ったり迎合したりする人を軽んじます。

それは「軽んじてください」という態度に見えるからです。

他ならぬ自分が、相手にそれを許しているのです。

逆に自分のために立ち上がり、「私はそれを許さない!」と毅然とした態度を示す人には、相手は初めは抵抗を示すかもしれませんが、最終的には敬意を感じるものです。

自分を尊重し、自分に敬意を持つ人には、周囲もそれを感じずにはいられないのです。

もし今あなたが「人から軽く扱われている気がする」「負担を押し付けられてばかりいる」「利用されている」と感じていたら。

まずはあなた自身が、心の中で自分をそのように扱っていないかふり返ってみてください。

そしてもし他者を優先し、自分の気持ちを二の次にしていることに気づいたら。

これからはその生き方をどうしたいか真剣に考えてみてください。

人間関係の質は、あなたがご自身をどういう存在だと見なすか、どう扱うかによって、これからいくらでも変えることができます。

そしてもう一つ、忘れてはならない大切なことがあります。

今までの在り方が生きづらさを生むものであったとしても、今まで身につけてきたコミュニケーション・スキルは、これからは強みとして活かすことができます。

場の空気を読み、人の気持ちを考え、柔軟にふるまうことができる力は、今だってすでにあなたの魅力や能力として開花しているはず。

あなたがあなたの環境にがんばって適応しながら生きてきたからこそ手に入れた、人間関係を築くうえでの大きな財産です。

そこにゆるぎない自己尊重が加われば、コミュニケーション・マスターへの道まっしぐら!ですね。

ご自身を大切に扱えば扱うほど、あなたの宇宙にいる人々はその態度をそのまま映し出し、あなたを大切にしてくれます。

宇宙史上、これまでもこれからも二人といない、唯一無二のご自身を最大限に大切にしてあげてくださいね。

それでは今日はこの辺で。